鍼灸の効果にはどのようなものがあるかご存知ですか?単純に鍼の刺激、お灸での温熱刺激“だけ”ではないのです。では、鍼を刺している時やお灸をしている時に、身体にはどのような反応が起こっているのでしょうか。今回のコラムで鍼灸とはどのような疾患に効果があるかを書いていきます。

鍼灸の効果には①西洋医学的な考え方、②東洋医学的な考え方があります。
まず、①西洋医学的な考え方は、
1.「調整作用」:組織、器官に一定の刺激を与え、その機能を調整する作用
2.「鎮静作用」:疼痛のように機能が興奮している疾患に対して鎮静させる作用
3.「免疫作用」:免疫能を高める作用
4.「転調作用」:自律神経失調症やアレルギー体質を改善する作用
5.「反射作用」:痛み刺激あるいは温熱刺激による反射機転を介して、組織、器官の機能を鼓舞あるいは抑制する作用
などが挙げられます。

鍼灸接骨院に通っている方には、鍼灸治療は肩こりや腰痛など筋肉に対しての治療が多いと思われがちです。鎮痛作用はもちろんですが、内臓の疾患やアレルギー体質の改善、免疫機能を高める働きがあります。最近ではNHKの番組でも鍼灸や東洋医学の効果を科学で分析し、取り上げられる機会も増えてきました。

次に東洋医学的な考え方ですが。残念ながら今回はここまで!また別の回のコラムでお伝えします。

最後に少し古いですが、「未病」の説明をしている『養命酒』のCMを視たことはありますか。現在でもHPに掲載されていますから、ご覧になれます。
「未病」とは病気だと診断される前の病気に向かっている状態であると言われています。西洋医学では血液検査や健康診断で異常がない限り、病気ではないため治療を行いません。しかし、鍼灸治療では病気と診断される前でも、病気になりにくい身体を作るためにも治療を行います。また、病気になったとしても、普段から治療を受けることによって症状を軽く抑えることができます。鍼灸治療は身体の異常を調節し、本来の身体の状態に回復させる作用があるのです。

このコラムをご覧になっている方の中で、鍼灸接骨院に通っている方、1回は行ったことがある方は多いと思います。しかし、鍼灸院で鍼と灸のみの治療を受けた方は少ないのではないでしょうか。
鍼灸に興味がある方は、赤門鍼灸柔整専門学校の臨床施設に鍼灸治療を受けに来てみてください。きっと、鍼灸に対してのイメージが変わることでしょう。

(専任教員)古川雄一郎