今回も、仙台発祥の操体法で述べていきます。
操体法の基本動作は、呼吸、飲食、精神活動、身体運動で、それらに環境との関わりがあります。呼吸は複式呼吸で行い、身体運動は無理せず、動きやすい方に動くようにします。
肩こりは、カバンの紐を長時間肩に掛ける、猫背などの不良姿勢、長時間のデスクワーク等により、肩上部、肩背、肩甲間部の筋緊張および硬結、重い感じがする等の症状がみられます。首のこりは、頚肩部のこり、痛み、頚部の後屈・側屈等に運動制限があります。
①肩のこり、重い感じ
本人は、正座か椅子に腰かけ、術者がいる場合は、その背後から両肩を左右に交互に下に押し下げ、左右感覚の違いを聞ききます。右肩を押し下げた時、痛みや苦しさ等がある時は術者が本人の右肩を軽く押し下げ、その軽い抵抗に対して本人が肩を上げて行き、痛みがない所で、瞬間脱力をします。
本人が一人で行う時は、左右の肩を交互に上げてみて、上げやすい方の肩を自分でゆっくり上げて行き瞬間脱力をします。
②肩・腕の痛み
術者が本人の手首をつかんで行うか、本人のみで行う場合は、自分で行います。腕を内側、外側に回し、痛くなった所、苦しい所で止め、逆の痛くない、苦しくない方向に回旋し、楽な所で肩から瞬間脱力をします。肩の角度を上方、下方、内方、外方と色々変えてみて一番調子の悪い角度を探して、そこで腕を内側、外側に回して行うようにします。
③頚部の痛み
本人または術者が頭部を左右に回旋し、その左右のどちらの首が痛いか苦しいかを聞きます。仮に左回旋で、痛み、苦しさが生じたら、その生じたらその角度から、右回旋を行うようにします。術者がいたら軽い抵抗をしてもらうが、本人が行う時は、自分で行い、楽な所で瞬間脱力をします。これは、左右側屈でも同じように行います。
④頸椎の周りの痛み
頚椎の周りに痛みのある所、硬結のある所、その一か所の最大圧痛点に指2~3本を離さず押さえます。そのまま仰向けになって、顎を上げ、胸をブリッジするかのように上げ張るようにして、圧痛、硬結のある方に顔を回旋させて、楽な所で瞬間脱力をします。
操作してくれる相手がいる場合は2~3回、一人で行う場合は、3~5回行います。これらの操作の内、どちらも楽な場合は、その操作は省き別な操作を行っていきます。
(専任教員)糟谷俊彦