10月27日(水)に東洋療法学校協会の第37回学術大会が大阪国際交流センターにて開催されました。
この学術大会は、全国各地の鍼灸・あんまマッサージ指圧の専門学生がそれぞれ研究テーマを決定し、各校の優秀な研究をした学生が代表として発表する大会です。
当校からも鍼灸マッサージ東洋医療科2年生から1組参加してポスター発表をしてきましたので、ご報告いたします!
▼実験の様子はこちら
発表まで何度もチームで実験を重ねてきました。
▼発表内容
施術環境の変化が鍼刺激に及ぼす影響 ~音楽とアロマでのアプローチ~
鍼灸マッサージ東洋医療科2年 発表者: 鳥山 茂樹(鍼灸マッサージ東洋医療科2年)
共同研究者:川口 里沙、安達 萌子、永塚 千夏、菅野 友紀、小林 勝彦、佐々木 英哉、清水 楓子、髙橋 徹、水野 彬人
<目的>
身体への鍼刺激に対して、アロマ(ラベンダー)による嗅覚刺激下、クラシック音楽による聴覚刺激下、およびその両方の刺激下で鍼の効果がどのように変化するかを検証した。
<方法>
対象は本学在籍の健常成人男女10名とした。手順として、伏臥位・閉眼にて5分間安静をとり、血圧、脈拍、腎兪穴の筋硬度と痛みを測定。その直後に左右どちらか一方の腎兪穴に鍼を刺鍼し、反対側の腎兪穴には管散術を行い、一方に置鍼、反対側はsham鍼とした状態で、アロマ、音楽、アロマと音楽の複合、環境変化無しの環境下で、伏臥位・閉眼にて10分間安静をとった。その後再度、血圧、脈拍、筋硬度、痛みの測定をし、被験者にアンケートを記入してもらい、アロマや音楽の好みを調査した。
<結果>
音楽刺激下では筋硬度、脈拍、痛み、ともに約70%の被検者に改善が見られた。またアロマ刺激下では痛みに対し、約60%の被検者に改善が見られた。しかし音楽とアロマ複合刺激下では大きな変化はみられなかった。
<考察>
音楽刺激下では刺激側、無刺激側のどちらにおいても筋硬度と痛みの改善が見られた。アロマ刺激下では刺激側も無刺激側のどちらにおいても痛みの改善がみられた。このことから鍼刺激に関係なく、音楽やアロマの刺激は、自律神経的作用が働き、筋緊張や痛みの改善につながったと思われる。
またそれぞれの実験の刺激前後の各項目には有意差が無く、音楽やアロマ刺激は、好みによる個人差があることで、鍼刺激の効果に影響があらわれたと思われる。
全国の学校が集まる大きな学術大会で、とても貴重な経験をさせていただきました。