新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、外出自粛が続く中、運動不足やテレワーク、ストレスなどから肩こりや首(頚)こりが発症したり、以前よりもひどくなった方が増えてはいないでしょうか。肩こりや首こりは日常生活や仕事での痛みや以前からある痛みなど、慢性的なものが多く、改善しにくい場合もあります。 肩こりの予防の簡単な運動として、気をつけの姿勢から手のひらを前方に向けて肘を曲げると肩の前を指先で触れることができますので、その姿勢のまま肩を大きく前後に10回ずつ、まわして下さい(このとき、肩に痛みがある場合は中止してください)。肩甲骨を動かすように意識してまわすと、なお効果的です。
また、首(頚部)の傷病には、寝違えやむちうちなどがあります。
寝違えは、睡眠中、長時間にわたり無理な姿勢をとることで筋肉の一部の血行が悪くなることや枕の高さが合わないことなどが原因で、寝起きに首を動かすと筋肉痛のような鈍い痛みが首や肩にかけて生じるのが特徴的です。症状は数時間で改善する軽度な痛みから数日にわたって首を動かせないような強い痛みを生じます。
寝違えてしまったときに迷うのが、冷やすのか?温めるのか?ではないでしょうか。寝違えてすぐの痛みが強いときは炎症が起こっていますので、まずは冷やしましょう。その後、腫れや痛みが引いたら、首周りの筋肉を温めて血行を良くすることは寝違えや肩こりの予防にもなります。また炎症を鎮めるためには湿布も効果的です。
むちうちは、追突事故のような予測ができない状況(反射的に身構えることができない状況)で後方からの衝撃により、首(頚部)が鞭を打つように前後にしなり痛めてしまいます。ケガをしたその日に痛みがなく、翌日に痛みが出現することもあり、片頭痛などを後遺してしまう方もしばしばみられます。治療の際、どこの医療機関(科目)に受診すればいいのか分からない場合は病院や整(接)骨院などに問い合わせてから受診したほうがよいと思います。痛みが軽いからといって軽症と自己判断はせずに早期に治療をすることが重要です。
(専任教員)小原賢